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2018年→2026年で何が変わったか ― 新薬と最新ガイドラインの話

2026-05-02

この連載は2018年の入院講義をもとにしています。年数が経っているため、現在の医療情報と照合しました。変わっていない内容と、大きく変わった内容を整理します。

※ 参照:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024(日本皮膚科学会・日本アレルギー学会、2024年10月発表)


変わっていない内容

以下の内容は2026年現在も有効です。

  • アトピーの3大要素(バリア機能・IgE・炎症)
  • 「アトピーがアレルギーを増やす」というメカニズム
  • TARC 500以下という目標値(より正確には成人で450 pg/mL未満)
  • プロアクティブ療法の有効性(2024年ガイドラインでも引き続き推奨)
  • ステロイドの5段階ランクと使い方の考え方
  • プロトピックの特性(皮膚が薄くならない等)
  • スキンケアの基本(ゴシゴシ洗いNG・入浴後すぐ保湿)
  • 食事(アラキドン酸を控え、DHA・EPAを摂る)の方向性
  • 「見た目に騙されない」「自己判断で薬をやめない」という原則

大きく変わった内容:新薬の登場

2018年当時の薬の選択肢は、ステロイド・プロトピック・ネオーラル(シクロスポリン)が中心でした。しかしその後、複数の新薬が登場しています。

生物学的製剤(注射薬)

  • デュピクセント(デュピルマブ) 2018年承認。アトピー初の生物学的製剤。中等症〜重症で既存治療が効果不十分な患者が対象。IL-4・IL-13という炎症に関わる物質の働きを同時に抑える。
    これは当時の私は大学病院に月一回通って数万円の注射を処方してもらえって自分で腹に打っていました。打った後に具合悪くなったり、金銭的な負担が大きくて途中でやめてしまいましたが。
  • ミチーガ(ネモリズマブ) 2022年2月承認。かゆみの原因物質に直接作用する注射薬。
  • トラロキヌマブ(アドトラーザ) IL-13を標的とした注射薬。2024年ガイドライン掲載。
  • レブリキズマブ(イブグリース) 2024年承認。IL-13抗体。投与間隔を延長できることが特徴。

JAK阻害薬(内服・外用)

  • デルゴシチニブ外用薬(2020年)
  • バリシチニブ内服(2020年)
  • アブロシチニブ内服(2021年)
  • ウパダシチニブ内服(2024年ガイドライン掲載)

新しい外用薬

  • タピナロフクリーム(2024年) これまでとは異なる作用機序(AhR調節)を持つ外用薬。炎症を抑えつつバリア機能の改善も期待されている。

2018年に「ネオーラル(シクロスポリン)は重症時のみ」とされていた部分は、現在も重症時に使われますが、上記の新薬が先に検討されるケースが増えています。


補足:スキンケアに追加できること

2018年の講義ノートにはお湯の温度についての記載はありませんでしたが、現在のガイドラインでは38〜40℃が推奨されています。42℃以上のお湯はバリア機能に必要な皮脂や潤い成分を落とし、かゆみを強めるとされています。


まとめ

治療の基本的な考え方(炎症を鎮圧する・プロアクティブ療法・見た目に騙されない)は2018年から変わっていません。

一方で薬の選択肢は大幅に増えました。特に重症〜中等症の方には、当時はなかった生物学的製剤やJAK阻害薬という選択肢があります。

ご自身の症状や治療状況については、必ず担当の医師に相談してください。このブログはあくまで2018年の講義内容の記録であり、医療行為の推奨ではありません。


参照ソース

このブログの内容は2018年の入院時の講義をもとにしたものです。医療行為の推奨ではありません。症状や治療については必ず担当医の指示に従ってください。